EXAMPLE

2016年9月某日
オープンしたばかりのユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店に現れたのは、スタンダードな黒スーツに身を包んだ数原滋彦さん。「uni」マークでおなじみの三菱鉛筆株式会社の取締役だ。「緊張されていますか?」との筆者の問いに「緊張してますよ。でもワクワクもしています!」とにっこり。さっそく変身前の姿を撮影させていただいた。

TPOを意識して、場の雰囲気を乱さない服を心がけている。

「今日はこのあとに会食があるので、ちょっとかしこまったスタンダードなスーツにしています。いつもはもう少しラフですが、一緒にいるかたの業種に合わせています。」という数原さん。会食の相手は大手金融関係のかただとか。TPOを意識した服装選びはトップに立つ者だけでなく、社会人としての常識。自己PRのために冒険に出るよりは、スタンダードなスタイリングが無難と言えるだろう。とはいえ先日オープンしたばかりのユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店前に立つと少々やぼったくはある…。
普段はあまり洋服を買わないという数原さん。本日着用のスーツも10年前に購入したものだというが、月日を感じさせない物持ちの良さが彼の人柄を表しているようだ。

さかのぼること数日前

ExSCO エグゼクティブコーチ・丹羽は数原氏と対面していた。
ExSCOのコーチングは「らしさ」を再発見するエグゼクティブコーチングから始まる。ここで「理想のリーダー像とは」「仕事をする上で大事にしている価値観とは」「会社の将来像、その中での自身のミッションとは」など、スタイリングに欠かせない数原さんの本質について対話を通して言葉にした。
数原氏が取締役を勤める「三菱鉛筆株式会社」は、誰しもが愛用したことのある鉛筆「uni」をはじめとし、様々なブランドを展開する筆記具メーカー。今年創業130年となるその歴史は年月を越えた重みがある。そんな会社と、その経営についてお話しをうかがった。


急激な変化は本質的な変化ではない。

「遊び心が大切」だという数原さん。新しいことに挑戦して、いつでもフットワークは軽くありたいという。
「当社は130年の歴史があるので、急激な舵取りをしてはいけません。わたしは経営陣のひとりとして常にフレキシブルでいようと心がけていますし、異業種交流を経て新しい風を取り入れようとしています。だからといって、会社に急激な変化を起こそうとは思いません。急に変わるものって弱いんです。それは根を張らないまま育った大木のようなもので、何かの衝撃ですぐに折れてしまう。本質的な変化というのは、ゆっくり進むものだと思っています。」

これからの「uni」を見つめて

これまでの会社は「石橋を叩いて壊す」こともあったという。歴史のある会社として、その伝統はしっかり守りたい。一方で、時代の変化にも合わせていく必要がある。そのためには、伝統を大切にしながらも、自由闊達さや気軽にチャレンジできる風土をつくることが鍵となる。変革が求められる会社の中で、率先して変わったことに挑戦していくことが、自分のミッションだ。数原さんの考える理想のリーダーとは、固まった土台の上で遠くを見通すことのできる人物である。

「遊び心をスパイスのようにピリリと効かせたスタンダード」をご提案

そんな数原さんの「らしさ」を導くスタイリングコーチは、ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店・セールスマスターの小山正紀。ユナイテッドアローズのメンズクロージング最高峰で経験を積んできた。得意分野は「ドレスアップ」。「本日のテーマは?」という質問に「ただスタンダードではない、遊び心を兼ね備えつつエグゼクティブなイメージを醸し出せるスタイリングです。」と答えてくれた。

似合う色は内側から選ぶもの。

「この色すごくいいですね!」 スタイリングルームにいたスタッフ全員が感嘆の声を上げた。数原さんは「自分では絶対に選ばない色です。」と、はにかみながらもまんざらでもない。「スタンダードというと黒を選びがちですが、色数を抑えることで明るいブルーやチェックでも場の雰囲気にあわせたシックなスタイリングができます。」という小山さん。「ピンクシャツも合うと思います。」とあててみる。
数原さんの柔らかくて優しい雰囲気を押し付けがましくなく表現している。黒スーツに白シャツだと「カッチリ」はしているが、数原さんの人間味や「遊び心」までは伝わってこないのだ。「色味も大切ですが、生地の質感とフィット感を重視しています。体にあっていない服は、どんなに高価なものでも素敵に見えにくいですから。」と小山さん。



たっぷり時間をかけて選ぶ「理想を纏えるスタイリング」

この日、数原さんが試着したスーツは12着。「どういったイメージを引き出したいか」「数原さんの思う理想のリーダーとはどんな姿か」、エグゼクティブコーチングで言葉にしたイメージを元に、スタイリングコーチの小山がご提案した。忙しい日々を送っていると、洋服選びに時間をかけることはないだろう。ましてや人気ショップの店頭では、他人の目が気になってじっくり選ぶことも、フィッティングルームに長居することもはばかられてしまう。「人は見た目ではない」とはよく言うが、限られた商談時間で信頼感や人間味のあるパートナーシップを結ぶには、「見た目」が大きな影響力を持つといっても過言ではない。無難な選択では、ごまんといるライバルたちに埋もれてしまうだろう。まずは「見た目」の説得力が大切だと、ExSCOは考える。


良質なビジネスを円滑に進めるエグゼクティブな一枚

スタイリングコーチ・小山と数原さんが選んだスーツは爽やかな丸の内に映えるブルーがかった一枚。間近でみるとシルクのような上品な光沢のある生地で仕立てられており、さりげない気品を演出している。一見の印象はどこか新しく、その本質は伝統を重んじる三菱鉛筆株式会社を意識したセレクトだ。スタイリングコーチ・小山に話を聞いてみた。


─小山
130年の伝統ある社風を感じさせるスタンダードなスタイルに、数原さんらしい「遊び心」をスパイスとして取り入れました。普段はやや大きいサイズをゆったりと着ていらっしゃいましたが、今回はジャストサイズでお召しいただいています。本質を大切にする数原さんだからこそ、自身のラインを活かして着こなしていただきたい。数原さんはスラっとした細身体型ですから、細く見えすぎないモデルを選びました。控えめなネイビーのスーツにホワイトのシャツに、主張し過ぎないややグリーンがかったタイで。数原さんのおおらかでフレンドリーなイメージを引き出すために、スーツと同系色ですが、明るめの古典柄のタイをセレクトしています。


─数原さん
ジャケットを羽織った姿を鏡で見てびっくりしました。自分で選ぶとどうしても幅広のボックス型になりますが、こういうフィット感のあるジャケットもいいですね。自分が軽やかになったような感覚で逆に動きやすい。このネクタイを提案されたときは「ええ!! こんな派手な色、大丈夫!?」と不安になりましたけど(笑) さすがユナイテッドアローズさんですね、実際につけるとまったく浮いていないし、ちょうどいい感じの「遊び心」が絶妙。とにかく驚きづくしのスタイリングでした。

フォトグラファーによるポートレイトセッション

ポートレイト撮影は、午後の穏やかな光につつまれた丸の内で行われた。「ちょっと照れますね」と堅くなっていた数原さんも、セレクトした服に着替えると自然と軽やかに。この日撮影したのは、ビジネス用のスーツスタイル、ネクタイを外したラフなジャケットスタイル、キレイ目ジーンズのカジュアルスタイルの3スタイリング。すべてスタイリングコーチ・小山(ユナイテッドアローズ)の監修だ。
「直立した美しい笑顔の写真」は、ExSCOでは撮影しない。ExSCOのフォトセッションは、被写体の「らしさ」を引き出すためにある。この日は数原さんの持つ「本質」がにじみ出るようなポートレイト撮影となった。



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